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狂犬病

 狂犬病は狂犬病ウイルスを保有する犬・猫及びコウモリを含む野生動物に噛まれる、引っかかれるなど体液を介して感染する人畜共通の感染症です。
 狂犬病ウイルスは人を含む全ての哺乳類に感染し、発症すると有効な治療法がないために、ほぼ100%死亡します。
 感染した動物は狂騒状態となり、目に入る物を見境なく噛むようになります(ここで多くの動物に感染を広げます)。その後、食べ物や水を飲み込めなくなり、起立困難、昏睡状態となり死亡します。

   

狂犬病の現状

 日本では、昭和25年に制定された狂犬病予防法により国内全ての犬の登録及び、年1回のワクチン接種と輸入時の検疫が義務付けられました。このため、昭和32年以降国内では狂犬病は発生していません。
 しかし、日本以外の多くの国では狂犬病が発生し、毎年3〜5万人ほどが死亡しています。



 現在、日本は世界の中でもまれな狂犬病清浄国ですが、アジア諸国においてはインド、東南アジア諸国をはじめ、中国、韓国でも発生しており、中国においては毎年3000人規模の死亡者が報告され、大きな社会問題となっています。

狂犬病予防対策の重要性

 近年、人と物の国際交流、物流が進展する中、狂犬病の進入の危険性が増大しています。
 進入防止対策として特定動物に対する輸入検疫が行われていますが、対象動物は犬に加え、猫、アライグマ、スカンク、キツネなど一部であり、げっ歯類や野生動物の対策は未整備です。
 また、外国船舶に搭載された犬の不法上陸事例が頻発する等、現状の輸入検疫による進入防止には限界があります。
 一方、国内での狂犬病進入時のまん延防止策として、飼育犬への定期予防接種が義務付けられていますが、現状登録率は5割、定期予防接種の実施率は4割を下回る低水準に留まっています。狂犬病が国内で発生した場合、流行を防止するためには最低でも7割以上の接種率が必要とされています。
 狂犬病の最終発生から50年が経過する中で狂犬病のリスクに対する意識が低下していますが、犬による咬傷事故は毎年、届出だけでも6000件以上が報告されています。万一の進入事態に遭遇した場合、現行の実施率では社会的に大きなパニックになることが予想されます。
 犬の飼育者自身が常に危機感を持つこと。それが愛犬、人の命、また社会を守ることにつながります。

 

狂犬病予防接種

 犬の登録
  生後91日以上の犬は登録し、鑑札を付けておくことが義務付けられています。
  登録は市町村の役場または動物病院にて行ってください。
  登録は生涯1回です。
  犬が死亡した場合は死亡届を登録した市町村に提出してください。

 予防接種
  年に1回、狂犬病の予防接種を受けてください。
  予防接種後には注射済票の交付を受け、それを犬に付けておくことが義務付けられています。
  予防接種は各市町村の集合注射会場(毎年4月〜5月)、
  または動物病院で行ってください。
  病気で通院中、または体調に不安がある場合は動物病院にて相談の上、接種してください。


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